株式会社アジェンダ (所在地:北海道札幌市、代表取締役:伊藤 智裕)は、フィットネスクラブに在籍する会員の来館履歴や属性データを独自のアルゴリズムで機械学習することで、会員の退会確率を予測するAIを開発。これに関する特許を、2022年3月9日に取得いたしました。
<フィットネス向け退会予測AI紹介サイト>
https://www.agenda.co.jp/products/research/fitness/
■開発の背景
フィットネスクラブ業界は、2020年に新型コロナウイルスの影響を受けて売上高と利用者数ともに前年より大幅に減少しました(※1)。2021年はいずれも回復傾向にあり利用者数が増加する一方で、一般的なフィットネスクラブでは入会から半年で70%の会員が退会するなど、退会者数の多さが業界の課題となっています。
退会時に挙げる理由は「時間がない」「飽きた」といった漠然としたものから、「引っ越し」「体調不良」など多岐にわたります。引っ越しや体調不良による退会は施設側でコントロールできませんが、多忙や飽きといった内的要因による退会は、トレーニングメニューの見直しや施設利用のアドバイスといったフォローによって改善できるのではないかと考えました。
しかし退会しそうな会員を特定してフォローすることは困難です。そこで弊社は、施設に在籍する会員の退会確率を予測するAIを開発いたしました。AIの結果を元に会員をフォローすることにより、退会せずに続けられるフィットネスづくりを支えます。
(※1)経済産業省、特定サービス産業動態統計調査「対個人サービス業18.フィットネスクラブ」参照
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/tokusabido/result/result_1.html
■予測のポイントは「来館データ」
退会予測を行うにあたってフィットネスクラブの会員データを分析調査したところ、来館データに退会する人特有の兆候があることがわかりました。弊社はこの兆候を捉えるために独自のアルゴリズムを開発し、退会確率の予測精度を向上させております。
■活用イメージと見込まれる効果
退会予測AIは、会員への接客やDM配信から今後の施策に向けたデータ分析まで幅広い分野でご活用いただけます。
<活用イメージ1>
退会確率の高い会員に声をかけて継続をフォロー、続けやすいフィットネスへ
来館者の中から退会確率の高い会員をチェックできる仕組みを導入し、確率が高い会員へ優先的に接客。退会の恐れがある会員のモチベーションを上げて継続へ繋げることで、続けやすいフィットネスを作ります。
<活用イメージ2>
対象者にあわせてDMやメッセージを送ることで良好な関係を構築するCRMを実現
やめそうな会員には継続をフォローするメッセージ、退会確率が低い会員には施設との関係を深めるメッセージなど、退会確率を軸に会員をセグメントすることで対象者に合わせたコミュニケーションが可能に。施設以外のつながりからも、会員との良好な関係を築きます。
■特許の概要
・発明の名称 :脱退見込み評価装置
・特許番号 :特許第7037708号
・特許登録日 :2022年3月9日
・特許権者 :株式会社アジェンダ